たいていの語学学校では、学生の言語能力のレベルに応じてクラス分けを行っています。
一般英語などのコースの場合、通常、学生は入学初日にレベル分けテストを受けて、自分の能力に適したクラスに入ることになります。
このレベル分けの際に、ヨーロッパの多くの語学学校が共通して採用している基準があります。
それは、
ヨーロッパ言語共通参照枠
(Common European Framework of Reference for Languages 略称: CEFR)
この基準は、ヨーロッパの多くの言語教育現場で採用されているのみならず、現在では日本語を含む39の言語において適用されています。
CEFRでは、言語の種類にかかわらず、習得レベルをA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階で評価します。
■各レベルの概要
A = 基礎段階の言語使用者
A1 - Breakthrough(入門)
具体的必要を満たすための日常的表現と基本的言い回しを理解し、用いることができる。
相手がゆっくり、はっきりと話して助け船を出してくれる場合に簡単な対話ができる。
A2 - Waystage(初級)
直接的関係がある基本的な個人情報に関する文や、よく使われる表現を理解できる。
簡単で日常的な範囲でなら、簡単な情報交換ができる。
自身の背景や身近な状況について、簡単な言葉で説明できる。
B = 自立した言語使用者
B1 - Threshold(準中級)
仕事、学校、余暇などで頻繁に発生する身の回りの話題について、明確な話し方であれば理解できる。
身近で個人的に興味のある話題について、単純な結合文を作成できる。
経験、出来事、夢などを説明し、意見や計画の短い理由や説明を述べることができる。
B2 - Vantage(中級)
自身の専門分野の技術的な討論を含め、抽象的または具体的な話題の複雑なテクストの主要内容を理解できる。
お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢かつ自然である。
広範囲の話題について明確かつ詳細なテクストを作成し、様々な選択肢について長所と短所を述べて自己の視点を説明できる。
C = 熟達した言語使用者
C1 - Effective Operational Proficiency(準上級)
様々な種類の高度な内容の長いテクストを理解することができ、含意を把握できる。
言葉を探しているという印象を与えずに、流暢かつ自然に自己表現ができる。
社会的、学問的、職業上の目的に応じた、柔軟で効果的な言葉遣いができる。
複雑な話題について、明確でしっかりとした構成の詳細なテクストを作ることができる。
C2 - Mastery(上級)
聞いたり読んだりしたほぼすべてのことを容易に理解できる。
様々な話し言葉、書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構成することができる。
自然、流暢、かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違いを表現できる。
CEFRのレベルの呼称は、どの国、どの学校でも上記の6種類で共通していますが、
学校によっては、以下のようにクラスの名前をつけていたりします。
A1 → Beginner
A2 → Elementary
B1 → Pre-intermediate
B2 → Intermediate
C1 → Upper-intermediate
C2 → Advanced
※上記はあくまで一例です。クラス(レベル)の呼び方は学校によって異なります。
CEFRは世界共通の基準なので、CEFRを採用している場所であれば、異なる国の異なる学校に移動しても同じように適用することができます。
CEFR のレベル分けに従って目標を設定すると、留学のモチベーションもいっそう上がるのではないでしょうか?